追放者食堂へようこそ!原作小説3巻の感想(ネタバレあり)遂に王女様まで食堂に流れ着く

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追放者食堂へようこそ!3巻の感想(ネタバレあり)[追放姫とイツワリの王剣]

※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!

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追放者食堂へようこそ!3巻
/君川 優樹
・『追放者食堂へようこそ!』の関連記事へ

【評価】
※最終巻である可能性があります。
・いつも通り面白かったです。
・遂に国家転覆!
・とある王女様の物語。

作品の特徴(5段階評価)
おすすめ度:   ★★★
読みやすさ:   ★★★★
ラブコメ量:   ■■■
戦闘・バトルの量:■■■■
男女比:     男:女=1:2
・食堂・王女様・追放者たち・国政・最強

・食堂に流れ着いた王女

――(あらすじ)――
国王が崩御(死亡)され、第一王女であるエステル王女が王位を継承することになりました。
王族の血を受け継いだ者にだけ反応するという王剣スキルグラム。この剣を用いて、エステルは自身が王族の系列であることを証明する儀式、『王剣の儀』を執り行いましたが、王権は何の反応も示しませんでした。

この結果、王位の継承は継承権第二位であったレオノール王子が継ぐことになり、エステルは秘密裏に暗殺される処置を施されることになってしまいました。
こうして王都から逃げ延びたエステル王女は、デニスの店『追放者食堂』に流れ着きました。

――(感想)――
既に元貴族のアトリエがいるため若干ネタ被り感はありますが、アトリエとエステルは性格が全然違うので差別化できています。
一時食堂のホール担当が、元貴族と王女様という高貴な二人組になり、デニスの店の常識外れ具合が際立ちました。

さて、理不尽な展開が多い本作ですが、やはり今回のエステルも被害者。何も悪いことをしていないのに命を狙われてしまった王女様です。
アトリエの時は貴族の身分を捨ててデニスと一緒に暮らすことになりましたが……。
今回は違います!王位復権を目指しての国取り抗争を巻き起こします!
新王レオノールから向けられる刺客たち。
新王に対抗して集うエステル王女派の革命戦力。
もはやデニスの店は、町の食堂という皮を被った革命家たちの隠れ家となってしまいました!

デニスは平凡に食堂を経営したいだけなのですが……彼はどうしても、特殊な境遇の人々を集めてしまうようです。
本来エステルとは無関係なデニスですが、お人好しな彼は今回も主戦力として大活躍!
悲しいことに、デニスが平和に暮らしていくことは叶わないようです……。

・王女様の平民暮らし

――(あらすじ)――
王都を追われて追放者食堂に来たエステル王女は、しばらくの間従業員として働き、現地で友達もできました。
また流行りのカードゲームも嗜むようになり、子供たちとデュエルをしたり、戦法を教えてあげたりと平穏に暮らしていました。

しかし王都から刺客がやってきました。
もともとは王家に仕えていた鍛冶一族の末裔である、ジュエル・ベルノーがエステルと対峙します。

――(感想)――
食堂生活中にできたエステルの友達に、『ティア』という名前の病弱な女の子がいました。
英語で『涙』という意味の名前なので不穏な予感はしていましたが、やはり悲しい結末を迎えてしまいます。
「何もしてあげられなかった」 「なんにもならん。死んでしまっては、なんにもならん……」 「どうして生きているだけの簡単なことができないのだ」
重くて鋭い言葉が続き、エステルの悲しみが伝わってきました。

エステルの人生において、王都を抜け出して平民として暮らしていた期間は大きな意義を持ちます。
今後はティアのことを思い出して国の医療を充実させようとするかもしれません。
なんとも数奇な運命の王女様ですが、きっと賢王として名を馳せてくれることでしょう。そう願っています。

・王位争奪戦!

――(あらすじ)――
遂にエステルの居場所が突き止められ、一等王族護衛官であるヒースの軍隊が町にやって来ました。
しかし町の人々は王国軍に反発し、デニスたちを逃がします。
結果、町の人々はエステルを庇った罪で捕らえられ、王都まで連行され処刑されることになってしまいました!

・王家に強い恨みがあり、ドラッグ入りのかき氷で町中の人々を薬漬けにした元貴族の追放者、ポワゾン
・エステルを捕らえようとした王国お抱えの鍛冶一族の末裔、ジュエル
敵対していた彼女らを見方につけ、デニスたちは王都へ潜入。
更にヘンリエッタ、バチェル、オリヴィアなどの知り合いたちに声をかけ、王位奪還のために力を貸してもらいました。

しかし王国側には、デニスの兄を名乗るLv.100の一等王族護衛官、ヒースがいます。
彼を倒さなければ王位奪還はできません!

――(感想)――
この作品内においては、レベル100が最高到達点ではないのですね……。
1巻の時点で主人公がレベル100になってしまい、主人公は無敵の力を手に入れたかのように思われました。しかしそうではなかったようです。
ずっと料理をしていたデニスには戦闘経験が足りません!また、搦め手や毒などで成す術なく倒されてしまう可能性もあります。
強いとはいってもデニスも一人の人間であり、できることには限度があります。しかし追放者を集める妙な気質のおかげで頼もしい仲間に恵まれました!
個性的な面々が国王を追い詰めていく様は、真剣なシーンであるにも関わらず、どこか微笑ましいおかしさがありました。

さて、デニスたち追放者食堂のメンバーは、遂に国家の転覆にまで手を出してしまいました!
善悪の判断は難しいですが、法的に見ればデニスたちの方が犯罪者です。一介の食堂の店主がここまで活躍の幅を広げるとは。来るところまで来てしまったという感じがします……。
次の4巻では、これ以上どんな話が出て来るのでしょうか!? 楽しみですが、やや心配です。

・結末

――(あらすじ)――
現王レオノールとの王位争奪戦の最中。
とある事をきっかけに、エステルは世界を改変してしまう能力に目覚めました!
全ての現実を捻じ曲げてしまう、まるで神のような異能。これまで何度も親しい者の死と直面してきたエステルは、過去を改竄し、今の世界の争いを消し去り、皆が生きている新しい世界作り出し、それを現世に上書きしようとしました。

しかしそんな彼女を止めたのは他でもない、死んでしまった彼女の親友でした。

――(感想)――
この3巻は最初から最後まで、エステルをメインに据えたストーリーでした。
王家を追放され、平民と暮らすうちに仲間に恵まれ、そして力が覚醒し、最終的には立派な成長を遂げてみせました。
ボリュームがあり、終始楽しい雰囲気でありつつも、しっかりした話の構成に満足の1冊でした。

さて、まだ続きがあるような終わり方をした本作ですが……どうやら次の4巻がまだ出ておらず、続編の情報がありません
アニメ化すると原作の売り上げも上がるので、それに合わせて新刊が出るというのは、ライトノベルではありがちな事です。
現在(2025年7月17日)アニメ放送中なので、続編の発売は近いかもしれません!
少し期待しています。

(「追放者食堂へようこそ!」3巻の感想・ネタバレあり)

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