りゅうおうのおしごと!16巻の感想(ネタバレあり)雛鶴あいと夜叉神天衣の女流タイトル戦!

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りゅうおうのおしごと!16巻の感想(ネタバレあり)

※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!

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りゅうおうのおしごと!16巻
/白鳥 士郎
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【評価】
・将棋界の転機!それぞれの変化が面白かったです。
・プロポーズ多発!
・八一とAIによって変わる将棋界

作品の特徴(5段階評価)
おすすめ度:   ★★★★★(ここまで追ったら最終巻まで読むしかないでしょう!)
読みやすさ:   ★★★★
ラブコメ量:   ■■■■■
戦闘・バトルの量:■■■(将棋の対局)
男女比:     男:女=1:3
・将棋・恋愛・小学生・ハーレム系・AI

・神鍋歩夢のプロポーズ!

――(あらすじ)――

歩夢:「名人になったら────────結婚してください」

神鍋歩夢(かんなべ あゆむ)は釈迦堂里奈(しゃかんど りな)女流名跡の前に跪き、ベルベットの小さな箱を差し出してプロポーズしました。
箱の中の大きな宝石の付いた指輪が、彼が本気であることを示しています。

しかし釈迦堂さんは『戯言はやめよ』と言い歩夢の求婚を相手にしてくれません。
歩夢が釈迦堂さんにプロポーズしたのは今回が初めてではないようです。
最初のプロポーズは彼が11歳の時。五級に上がった日でした。

――(感想)――
男女逆バージョンですが、神鍋歩夢と釈迦堂里奈女流名跡の関係は、八一とあいの関係と似ています!
師弟関係で、小学生の時から異性として意識していて、小さい頃から結婚を考えていたという。

この作品は小学生たちが本気の恋愛をすることが多いですね!
実際私の初恋も小学5年生の頃だったと思うので、子供の恋愛感情をバカにする気はないのですが……。にしても随分とませています!
八一とあいはこれからですが、歩夢と釈迦堂さんは既に長い年月を共にしていて、歩夢ももう立派に成長しました。
ずっと気持ちが変わらないのはステキなことだと思う一方で、それだけ長い期間歩夢の思いは成就せず、釈迦堂さんも歳をとってしまったことは残念です。

『人生に遅すぎるということはない』なんて言葉はありますが、できればこの二人はもう少し早く結ばれて欲しかったです!

余談ですが、歩夢がA級に上がってからの順位戦がありました。
あまり気にしないようにしてましたが、このラノベでは将棋の対局中に対局者がありえないほど喋りまくります……。
本来あり得ないことなので、私はなんとなく対局者同士の心の中でのやり取りのように捉えてスルーしていました。

しかし今回、この対局中の会話が中継されて、名人も山刀伐尽も、八一の書いた本を読み込んで研究したとの発言が放送されました。そしてその結果、全国の書店から注文が殺到しました!
つまり、マイクでハッキリと収音できる声量で、本当に会話していることが明確になり、違和感を無理矢理認めざるを得ない形になりました。
本当の将棋の対局は静かに進行します
マナー違反になりかねませんので、対局中に相手に話しかけるときは気を付けましょう。
ましてや上半身裸になり、「こおおおおおおおおおおおおおおおうッ!!」「ぐぁぁぁぁッッ!!」「全裸最ッ高ォォォォッッッ!!」など叫び散らすのはもっての他です!(山刀伐さん、もう将棋界から永久追放でいいんじゃないですかね)

・女流名跡戦(雛鶴あいVS釈迦堂里奈)

――(あらすじ)――
雛鶴あいが挑戦者となり、釈迦堂里奈に挑む『女流名跡』のタイトル戦。
これまで八一が揮毫した『勇気』の扇子を持って対局に望んでいましたが、新調した『雲外蒼天』の扇子を手に、心を入れ換えて対局しました。

東京進出により心も体も将棋も鍛えられたあいちゃんは快進撃を繰り広げ、なんと5番勝負の第一局と第二局を完勝!
しかし第三局と第四局は負けてしまい、勝負は角番までもつれ込むことになりました。

――(感想)――
少し前に女流棋士になったばかりだと思っていたのですが……ここへ来てあいちゃんの成長が早すぎます!
なんともう女流のタイトルを手にしようとしています。

あいちゃんの母親である亜希菜(あきな)さんとの約束では、女流タイトルを取れなかったら八一には娘(あい)と結婚してもらうという話でしたが……その話はこれで無くなった訳です。
八一の下から離れてしまい、強制結婚ルートを自ら消して、なんだかあいちゃんがどんどん八一から離れていってしまいます。

現実的に今、一番八一に近いのは夜叉神天衣(やしゃじん あい)ちゃんになる訳ですが、彼女は八一が外に女を作ろうとも束縛せず、スルーする方針のようです。
これはまさかのハーレムエンドもありえます!

銀子と付き合い始めた時は八一の女性関係に決着が付いたと思ったのですが、とんでもない!
月夜坂燎もまだ八一のことが好きなようですし、目の離せない展開が続きそうです。

・釈迦堂里奈の過去

――(あらすじ)――
女流棋士に負けるのが『恥』だとされていた昔。釈迦堂里奈女流名跡は対プロ棋士の勝率が高く、彼女は『殺し屋』と呼ばれ恐れられていました。女流棋士に負けた棋士は名声を失い、将棋道場などでの稼ぎも減ってしまいます。
釈迦堂さんは当時の将棋連盟の会長に反対する棋士たちに勝利して、引導を渡す役目をしていました。

そんな釈迦堂さんが清滝師匠と結婚しそうだったことが発覚!
清滝師匠にも話を伺ったところ、将棋界の都合で、半ば政略結婚のような形で二人の仲は後押しされていたそうです。

――(感想)――
清滝師匠がまさか再婚しかけたことがあったとは!驚きました。

八一がどうして結婚しなかったか聞いた時の、清滝師匠の言葉がしみじみと切なかったです。

「亡くなった妻を忘れられんかった。それだけや」

「日に日に妻に似てくる桂香(むすめ)が目の前におったからな」

これを聞いた桂香さんが「何でもかんでも私に押しつけるな」と言われてしまったのもまた切ないです。

釈迦堂さんの過去が語られましたが、なかなか凄絶でしたね……。
師匠の都合で結婚させられそうになり、釈迦堂さんが産んだ子供をプロ棋士にしようと画策されていたそうです。(釈迦堂さんの師匠のモラルどうなってるんでしょう?)
『殺し屋』と呼ばれていたことも含めて、今の華やかな立場からは全く想像できない衝撃の過去でした。
人それぞれの十字架を背負って生きているものなのでしょう。(『美味しんぼ』の田畑さんが言ってたセリフです)

さて、あいとのタイトル戦で2敗してからの2連勝というところを含めて、『釈迦堂里奈はわざと負けている』説というのが出てきました。
残念ながらこの巻の中では真偽はわからないままでしたが、もしも自分の都合でわざと負けることがあったとしたら、それは幻滅です!
月夜坂燎(つきよみざか りょう)の女流玉将も、供御飯万智(くぐい まち)の山城桜花も『与えられた』タイトルだとでも言うのでしょうか?
釈迦堂さんは勝負には真摯な人だと信じたいです。

・最後は夜叉神天衣が全てをかっさらっていった!

――(あらすじ)――
女流名跡戦の最終第五局。
勝負を急ごうとしたあいでしたが、八一からの隠れたメッセージを汲み取り、自分を諌めて冷静に持久戦に持ち込みました。
最後は釈迦堂さん相手に才能の差を見せつけ勝利!

八一はあいにコップ一杯の水を届けてあげようとしました。
しかし夜叉神天衣の対局も終わったと知り、彼女の棋譜を見た途端衝撃を受け、八一はそのまま、あいに会うことなく天衣の下へ向かってしまいました。

あいのタイトル戦と同時に天衣も女王・女流玉座のタイトル戦をしていました。しかし八一は今まで、天衣からの言いつけで彼女のタイトル戦を見ておらず、棋譜も確認していませんでした。
夜叉神天衣はこれまでの常識では考えられないような、『未来の将棋』を指していました。

――(感想)――
最後の最後で師匠を天衣に取られてしまいました!
遂に!せっかくタイトルまで取ったというのに!

そして大人数の前で強烈な決意表明、「最短最速でプロ棋士を目指します」との爆弾発言までしたというのに!そこに八一はいませんでした。
ここで八一を奪われてしまうのは悲しすぎます。

……ただ、女流のタイトル戦を2つも同時に戦っていたのに天衣ちゃんの出番が少なすぎたので、妥当な気もします。(何気に天ちゃんは、空銀子を越える偉業を成し遂げたのでは!?)

そして夜叉神天衣ちゃんがスーパーコンピュータを稼働させて将棋の研究をしていたことが発覚!
本人が『未来の将棋』と豪語するだけあって、八一がショックのあまりあいを捨てて駆けつけてしまいました。
彼女の棋譜がどんなものだったのか分かりませんが、相当ユニークなものだったのでしょう。戦型分類が『不明』となっていたことからもそれが推察できます。

時代の最先端の将棋に触れて、八一や将棋界はどうなってしまうのか。恐ろしいながらも楽しみです!

(「りゅうおうのおしごと!」16巻の感想・ネタバレあり)

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