変人のサラダボウル10巻の感想(ネタバレあり)
※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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変人のサラダボウル10巻/平坂 読
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【評価】
・いつも通り面白かったです
・あっという間に時が流れる
・壮大なスケール!岐阜から世界へ
・叶わなかった恋
・最終巻
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★★
読みやすさ: ★★★★★
ラブコメ量: ■■■■
戦闘・バトルの量:■■■■
男女比: 男:女=1:2
・岐阜県・カリスマ・時空間旅行・世界征服・最終巻・壮大な恋の物語・魔王
・惣助とブレンダが結婚し、子供も授かる
☆――(あらすじ)――☆
惣助とブレンダが交際を始めても、友奈は惣助のことを諦められませんでした。
呼び方も「惣助さん」になり、友奈は今まで同様食事を作り、以前より親密に惣助と接するようになっていました。
また友奈のライバルでもあるアルバも惣助のことが好きになってしまい、恋愛関係のもつれは悪化します。
しかし惣助と愛崎ブレンダは結婚して、やがて子供が生まれました。
最初に男の子が生まれて『伊吹(いぶき)』とサラが命名。
次に女の子が生まれて、名前は『瑞穂(みずほ)』。こちらも姉であるサラが名付けました。
アルバも探偵の仕事を手伝うようになり、友奈とアルバは惣助の子供たちのお世話もして可愛がるようになります。
☆――(感想)――☆
かつてのヒロインたちも、生まれてきた惣助の子供に対しては素直に祝福して可愛がっている様子でしたので、そこは安心しました。
思えばこの作品はギスギスとした女性同士での争いは無く、ヒロイン同士の仲が良い、爽やかな恋愛をしていたように思います。
恋愛も、そしてこの先の超展開も含めて小気味よく快活な物語でした。
恋愛が拗れるハーレム系ラノベはたくさんありますが、ここまでしっかりと恋愛に決着がついて、更にその後も話が続くのは珍しいです。
ひとえに異世界人たちの影響で、惣助の取り合い以上に大きな動きが岐阜県で巻き起こっていたためです。
圧倒的スケール!
尚、作者さんの後書きによると、この『変人のサラダボウル』が最後の作品になるそうです。
平坂読(ひらさか よみ)さんの清々しい下ネタがもう読めないと思うと残念です。
・サラのタイムトラベル!?
☆――(あらすじ)――☆
こちらの世界にやってきてからもサラは魔術の研究を続けていて、時代を逆行するタイムリープ魔法、《魔法の門(ポータル・ド・マギア)》を完成させていました。
サラはある日、突発的な思い付きで過去の世界に行き、本能寺の変の真相を解き明かそうとしました。
戦国時代にやってきたサラは織田信長や明智光秀と交友を交わし、彼らに魔術を教えます。やがて織田軍は魔術の力で勢力を拡大させていきました。
サラがもともといた世界では、魔術を使う織田信長が天下統一を果たしていました。
そしてサラは、織田信長の子孫でありながら、自分こそが彼に魔術を教えて歴史を変えてしまった張本人であることに気づきます。
もともとサラのいた世界を生み出したのは、サラ自身でした!
☆――(感想)――☆
本能寺の変(信長に対する明智光秀の謀反)の真相は、結局分からず仕舞いでした。友奈も言ってましたが知りたかったです!
さて、サラ自身が織田信長に魔術を教えて、自分が生まれた世界線を作り出したという、なんとも壮大な創世話となりました。
『子孫が先祖の運命を変えて大丈夫なのか?』と少し気になりましたが、私はすぐに考えるのをやめました。時代遡行の話は細かいところを深く考えてはいけません!
タイムパラドックスなど気にしていたら、ドラえもんなど色んな作品を素直に楽しめなくなってしまうので、このあたりは緩く受け止めたいです。
後に『ポルタギア』が《魔法の門(ポータル・ド・マギア)》がなまった呼び名だと発覚するなど、見事な伏線回収がありました。この辺りは読んでいて『おおっ!』となりました。
・リヴィアの世界征服!
☆――(あらすじ)――☆
サラがいなくなった後の世界。
リヴィアこと剣持命は総理大臣となりましたが日本をアメリカに売ってしまい、日本はアメリカ合衆国の『日本州』となりました。
やがてアメリカの大統領選に出馬し、1億2千万人という圧倒的な人口を誇る日本州を味方につけたリヴィアは、選挙に勝利して大統領に就任。
魔術の存在を公表し、反逆するテロリストを大統領自らが単独で鎮圧。
奇跡の力を操るリヴィアに対抗できる勢力は存在せず、遂にリヴィアが治める人類史上初の地球統一国家、『救世ブランチヒル帝国』が誕生しました。
☆――(感想)――☆
社長→農林水産大臣→内閣総理大臣→アメリカ大統領→地球統一。
亡くなった主、剣持命もきっと大満足でしょう!
リヴィアは自分の人生を見事完遂してのけました!
今回はリヴィア自体の出番は少なめで、地球統一までの詳しい様子などは描かれてはいませんでした。しかしきっと多難で、それなりのドタバタ劇があったのだと思います。その辺りも読んでみたかったです。
農林水産大臣になったばかりの時、タケオから「農林水産大臣は馬券買えないよ?」と明かされショックを受けるリヴィアが、なんともリヴィアらしかったです。彼女にとっては重大な問題です!
リヴィアが大臣などできないと思っていたのですが、彼女が秘書・官僚たちに向けて言った言葉を聞いて、なるほどと思いました。
「すべてお任せしますので皆さんの思うようにやってください。なにか問題が起きたら某が腹を切ればよいだけです」
こう言ってもらえると、官僚たちも働きやすいです!
リヴィアは本当に不思議なキャラです。アホにも見える。しかし人格者にも見える。やることなすことが人に大きな影響を与え、味方を増やしより大きな勢力になっていく。そんな様子は見ていて実に愉快でした。
リヴィアは最終的に地球全土を治め、永世皇帝となりました。
皇帝となった彼女は一体どれだけ贅沢な暮らしをしていたのでしょうか!?
総理大臣→大統領→皇帝の辺りはリヴィアの様子が描かれておらず、後日談として語られただけだったので、その時の様子も見てみたかったです!
・サラの恋心
☆――(あらすじ)――☆
サラはしばらく戦国時代で過ごした後、《魔法の門(ポータル・ド・マギア)》で現代に戻りました。
しかしそこは惣助たちが暮らす元の世界とは異なった別の世界でした。
元の世界に戻れなくなったサラは魔術で不老不死の体となり、4万年の時をかけて試行錯誤し、遂に元の惣助たちが住む岐阜県に帰ってきました!
しかしそこは、サラがいなくなってから60年の年月が過ぎていました。
惣助はサラと暮らしていた場所で、ずっとサラの帰りを待ち続けていました。
サラが大学進学のため東京に引っ越す日のこと。
「どこへ行こうと、妾は必ずそなたのもとに帰ってくるのじゃ」と言ったその言葉を、惣助はずっと信じて待っていました。
今のサラは年老いた惣助を若返らせ、不老不死にすることもできてしまいます。
しかし惣助はそんな話に興味を持たず、ただ自分の娘が帰って来たことを喜びました。
サラはずっと惣助のことが好きでした。
しかし最後まで惣助は、サラのことを自分の娘として愛し続け、そして死んでしまいました。
☆――(感想)――☆
サラが惣助に恋していたことは、9巻まで読んでもハッキリとは分かりませんでした。
サラの心の声が本編中に出て来ることが無く、彼女が何を思っているのかが分かりづらかったためです。
そしてどうやら、これは作者さんが意図的にやっていたことのようです。本作を読んで初めて気づきました。(ただし一番最初の『これまでのお話』コーナーを除く)
惣助は長く貧乏な探偵を続けていましたが、サラの力を借りてもっとお金を稼ぐこともできました。サラに養ってもらうこともできたでしょう。
若返ることもできる。不老不死にもなれる。世界征服もできる。サラからそう言われても、惣助はその力を利用しようなどとは思わず、最後まで父親として娘であるサラを愛しました。
作中にも書かれていましたが、ここまで徹底的に善人だともはや変人です。
しかしかっこいい生き方だと思いました。
そしてそういう意味では、惣助だけではなく娘のサラの方もまた変人です。ずっと自分の恋心を閉じ込め続け、最後まで惣助のことを父親として尊重しました。
極端にインモラルなリヴィアのストーリーと、まるで対を成すかのように、サラの方は親子愛を貫いたとても美しい物語でした。
(「変人のサラダボウル」10巻の感想・ネタバレあり)

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