追放者食堂へようこそ!1巻の感想(ネタバレあり)[~最強パーティーを追放された料理人(Lv.99)は、田舎で念願の冒険者食堂を開きます!~]
※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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追放者食堂へようこそ!1巻/君川 優樹
(アニメ1期の内容)
・『追放者食堂へようこそ!』の関連記事へ
【評価】
・読みやすく、シリアスとギャグがバランス良く織り込まれた作品。
・面白く、心が温かくなる。
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★
読みやすさ: ★★★★★
ラブコメ量: ■■■(女性キャラは多く、主人公のことは皆好きだが、恋愛はあまり無い)
戦闘・バトルの量:■■■
男女比: 男:女=1:2
・食堂・ギャグ・サービスシーン多め・それぞれの苦悩・チート主人公
・主人公がパーティーを追放される
☆――(あらすじ)――☆
世界最強との呼び声も高い冒険者パーティー、『銀翼の大隊』。
ここに所属する料理人デニスは、隊長からあらぬ濡れ衣を着せられてパーティーを脱退することになりました。
冒険者稼業から足を洗い、片田舎で食堂を開くことにしたデニスは、道中で見かけた奴隷の少女が気になり、思わぬ高額で買い取ることになってしまいました。
奴隷の少女の名はアトリエ。彼女は貴族の良家を追い出されたようです。
いきなり軍資金は心もとなくなってしまいましたが、デニスは看板娘アトリエと共に『冒険者食堂』を始めました。
☆――(感想)――☆
ライトノベルでよくありそうな話の導入。
そしてありがちな展開。
そしてごく個人的な印象ですが、主人公の名前『デニス』など、キャラの名前にもあまり個性を感じませんでした。
読み始めた時は正直、『ハズレかな?』と思ってしまいました。
しかし読み進めているうちにキャラがだんだん増えていき、戦闘あり、笑いあり、アットホームで温かい雰囲気に惹き込まれていきました。
読み易くて楽しい、良いライトノベルでした。
・集う追放者たち
☆――(あらすじ)――☆
『女だから』と言う理由でパーティーを追い出された女騎士ヘンリエッタ。
意識だけは高い美少年ビビア。
過労のあまり自殺を試みた女賢者バチェル。
デニスの食堂には様々な境遇のあぶれ者たちが集まるようになり、お人好しのデニスは面倒を見てやります。
そうするうちに彼を慕う者が増えていきました。
☆――(感想)――☆
デニスの料理を食べれば誰もが元気を取り戻します!
辛いことがあっても料理が美味しいというのは、本当に有りがたいことだとしみじみ感じました。
『胃袋を掴む』という慣用句がありますが、主人公のデニスはまさにその達人。
すぐに交友の輪が広まり、変り者たちのたまり場となっていきました。
客同士の仲が良くて和やかで、とても良い空間だと思いました。
デニス:「なあ、ウチのカウンターはパーティーやらを追い出された奴が集まるフェロモンでも発してるのか?」
(余談ですが、デニスの食堂にやってくる逃れ者たちは女性が多く、肌を露出させているイラストがしばしば出てきたため、電車の中では読みづらかったです)
・繁盛する食堂
☆――(あらすじ)――☆
デニスの作る究極の料理の数々により、冒険者食堂は大繁盛!
看板娘のアトリエも皆に受け入れられ、連日賑わう人気店となりました。
数多くの注文を捌くため、店主であるデニスもレベル99の『スキル』を活用して手際よく料理をこなします。
更に希少な魔導書が食堂に置かれることになり、学者や研究者が本を読むために来店するようになりました。
食堂は更なる盛況を迎えました。
☆――(感想)――☆
食堂の棚に伝説級の魔導書が入庫され、研究者がこぞって食堂を訪れるようになった辺りから、これはギャグテイストが強い作品なのだと理解しました。
主人公は真面目な良識人。そして起こる事件も笑い事ではない深刻なものばかり。そんな訳でずっと、ギャグ・ネタが多いことを意識することなく読んでいました。
しかし思えば主人公の設定がもはやバグレベル!レベル99なのに料理人で、武器が包丁で二つ名が『レジェンダリー炒飯』です……。
『心温まるギャグラノベ』とでも表現すればいいでしょうか。
世知辛い世の中で、それでも楽しく生きていくキャラクターたちがみんな健気で魅力的。
主人公はそのデタラメな戦闘力と美味しい料理で、訪れる客を応援する。
読むと元気になれるような内容でした。
・最終決戦!?
☆――(あらすじ)――☆
デニスの店で看板娘として働いているアトリエは、元は貴族です。しかし家から追放されて奴隷になっていました。
看板娘となった後、アトリエが相続する筈だった財産に関しての裁判が執り行われ、それを見ていたデニスが不正を見抜き暴動を起こしてしまいました。
またある日は、デニスは素行の悪い冒険者を懲らしめ冒険者を助けたこともありました。
デニスを慕う者が増える一方で、徐々に彼を疎ましいく思う者も増えていきました。
やがてアトリエの実家の大貴族、王立裁判所の最高法官、最強と名高い冒険者パーティーの隊長、悪徳冒険者パーティーの長たちが、デニスに報復するために結託し、デニスの食堂に放火してしまいました!
権力には敵わないとすぐに諦め、町を出ていこうとするデニス。しかしそれを引き留めたのは、これまで足繁く店に来てくれた大勢の常連客たちでした。
国家権力に対し、全員で反撃開始です!
☆――(感想)――☆
逆らうことが許されない権力者、そして世界最強パーティーの団長との決戦!
まだ第1巻ですが、考えられうる最高峰の相手との戦いになりました。
『追放者食堂へようこそ! -完-』……となってもおかしくないのですが、どうやらこのシリーズはまだ続くようです。(これ以上どんな話があるのかは想像できませんが!)
これまでデニスが助けてきた人たちが、最後は逆にデニスを助ける熱い展開!
胸糞の悪い出来事から一転、最後はスカッと気分のいい終わり方をしてくれて嬉しかったです!
(「追放者食堂」1巻の感想・ネタバレあり)
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