りゅうおうのおしごと!10巻の感想(ネタバレあり)JS研が大会で奮闘!

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りゅうおうのおしごと!10巻の感想(ネタバレあり)

※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!

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りゅうおうのおしごと!10巻
/白鳥 士郎
・『りゅうおうのおしごと!』の関連記事へ

【評価】
・いつも通り面白かったです。
・まさかのお別れ!?

作品の特徴(5段階評価)
おすすめ度:   ★★★★
読みやすさ:   ★★★★★
ラブコメ量:   ■■■■■
戦闘・バトルの量:■■■(将棋の対局)
男女比:     男:女=1:3
・将棋・小学生・ハーレム系・別れ・プロ棋士を目指していた女流棋士の葛藤

・岳滅鬼翼(がくめき つばさ)

――(あらすじ)――
地方出身の女流棋士、岳滅鬼翼(がくめき つばさ)は、もともとプロ棋士を目指して奨励会に入っていました。
しかし彼女はプロ棋士になれないまま年齢制限を迎え、その夢を絶たれてしまいました。絶望していた中、奨励会幹事の鳩待(はとまち)先生から、意外なことを聞かれました。

鳩待:「岳滅鬼さん」
     「女流棋士になれるけど、どうする?」
     「知らないの? この前の棋士総会でそういう規定ができたんだよ。奨励会で2級以上の女性は、その級位で女流棋士に編入することができるって」
     「まあ当然といえば当然の規程なんだよ。奨励会で2級といえば、ほとんどの女流棋士よりも強いんだからね。きみならタイトルにも手が届くんじゃないかな?」

こうして岳滅鬼翼はプロ棋士の夢が潰えると同時に女流棋士として生きることになりました。

――(感想)――
プロ棋士になることができなくても、女性には女流棋士になるという道があるのですね……。
これを救済と捉えることもできますが、この制度で女流棋士になった人はどんな気持ちなのでしょう?
プロ棋士と女流棋士とではかなり差があるので、悔しさや惨めさを感じつつ、それでも将棋の世界で生きていく道を選べる嬉しさもありそうで、かなり複雑な気持ちになりそうです。
本作でもその辺りが強く描写されていました。

しかし名前!
『岳滅鬼翼(がくめきつばさ)』。字面を見ても人間の名前とは認識しづらいくらい、随分と刺々しい名前です。
名前のインパクトや彼女の特徴的過ぎる喋り方のせいで、彼女の心情描写がうまく心に入って来ませんでした。
八一たちも「すごい名前ですね」など一言言っても良さそうなものですが、彼女の名前に関しては誰も触れてくれませんでした。完全にスルー。
『こんな強い名前で、こんなにキャラを立てなくて良かったのでは?』と感じてしまいました。

・歩夢の妹 神鍋馬莉愛ちゃん登場!

――(あらすじ)――
ある日、八一宅に獣耳を付けた妙な少女が訪ねて来ました。
『~のじゃ』という古風で変わった語尾を付けて話す彼女は、主人公のライバルである神鍋歩夢(かんなべ あゆむ)の妹、神鍋馬莉愛(まりあ)ちゃんでした!
今年の小学生名人でもある馬莉愛ちゃんは、あい、澪、綾乃、シャルちゃんたちが出場する『なにわ王将戦』という小学生将棋大会に出場するようです。
JS研にとって彼女は強大な障壁となりました。

――(感想)――
歩夢と釈迦堂里奈(しゃかんど りな)女流名跡のコンビは作中でも異色な存在ですが、更に妹が加わってややこしい3人組が誕生してしまいました!
それぞれテイストが少しづつ違うものの、ザックリ言うと全員、重度の中二病です。
歩夢は騎士の衣装。釈迦堂さんはドレス姿で対局をしています。

現実の将棋界で変わったファッションといえば、最近の佐藤天彦先生が黒と金のツートンカラーな髪をしていたり、大橋七段という方が赤や青など派手な色のスーツを着て来る程度です。
ライトノベルならではの、自分の趣味を突き通したキャラたちは見ていて飽きません。言動も独特で面白いです。
ただ対局中に喋るのは良くないと思うので、そこはずっと気になっています!
ずっと無言で心理描写・脳内描写だけの対局というのも、読んでいて面白くないので仕方がない部分はあると思いますが、もうちょっと周りに気を遣って欲しいキャラが多いです。
将棋という地味な競技であるにも関わらず、警察を呼ばれそうになったりハチャメチャな展開が多い本作。そこがまたこの作品の魅力でもあります。

・澪ちゃんが海外へ!?

――(あらすじ)――
JS研のリーダー格である水越澪(みずこし みお)ちゃんが、父親の仕事の都合でヨーロッパに移住することになってしまいました。
日本での最後の思い出として、小学生の将棋大会である『なにわ王将戦』にJS研メンバー3人で挑みます。
(あいと天衣は既に女流棋士のため、規定により出場不可)

――(感想)――
同じ棋道でも、中国や韓国などに広まった囲碁とは違い、将棋というボードゲームは日本にしかプロがありません。
また、海外で将棋を続けても対局相手はなかなか見つからないことでしょう。
父親の事情でヨーロッパへ転勤とのことですが、ヘタをすると引っ越しした途端に澪ちゃんがヨーロッパ最強の将棋指しとなってしまうかもしれません!

澪ちゃんは海外へ行っても将棋を指し続けるのでしょうか。
個人的には、彼女には将棋以外の道を見つけて、新天地で明るく、元気に活動して欲しいです。

・なにわ王将戦

――(あらすじ)――
あいの小学校の新しい担任は、まだ十代である八一を保護者として認めてくれませんでした。
しかし同じクラスの澪ちゃんをなにわ王将戦で優勝させることができたら、師匠としての腕を認め、八一とあいが一緒に暮らすことを許してくれることになりました。

同じく大会に出場したシャルちゃん、綾乃ちゃんも好成績を残す中、澪ちゃんも奮闘してなんと決勝戦に進出!
しかし決勝戦の相手は強敵。小学生名人にして歩夢の妹である、神鍋馬莉愛ちゃんと対局することになりました。

――(感想)――
いくら何でもJS研が奮闘し過ぎじゃないでしょうか!? ビックリする戦果です!
将棋というのは、そう簡単に勝てるゲームでもありませんし、トーナメント制の大会は初戦で約半数が消える過酷な勝ち抜き戦です。
私も学生の頃は部活をやっていたので、大会を勝ち抜く難しさを知っています。
これはJS研のメンバーに、いつの間にかそれだけの実力が付いていたということでしょうか。これまであいちゃんや天衣ばかりが躍進をして、他のJS研メンバーは『そのお友達』くらいにしか認識していませんでした。
しかし今回は澪ちゃんも綾乃ちゃんもシャルちゃんも、皆が女流棋士になれる素養があることが証明されました!
特に鼻血を出して倒れるまで戦い抜いたシャルちゃんに拍手。

さて、この大会を最後の思い出に、澪ちゃんは海外へと旅立ってしまう訳ですが……これまで将棋を頑張って成果も出ただけに、あまりにももったいないタイミングでの移住です!
しかし父親の仕事の都合では仕方ありません。

登場キャラが一人減り、今後はより八一やあいちゃんの話が増えそうです。
若くして既に二人は将棋界で成功を収めてしまっています!では、このシリーズの執着地点はどこなのでしょうか?何をもってこのお話は完結となるのでしょうか。予想が難しいです。答えは作者さんのみが知ることなのでしょう。
今後は盤上での戦いだけではなく、八一の恋愛の行方も気になるところです。
今回は小学生の話が多くて紛れていましたが、八一の周りの女性関係は拗れすぎです!

(「りゅうおうのおしごと!」10巻の感想・ネタバレあり)

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