りゅうおうのおしごと!18巻の感想(ネタバレあり)
※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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りゅうおうのおしごと!18巻/白鳥 士郎
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【評価】
・いつも通り面白かったです。
・将棋のルールが変更!決まり手が追加される
・ブルーノ・レドモンド九段のインパクト!
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★
読みやすさ: ★★★★★
ラブコメ量: ■■■■■
戦闘・バトルの量:■■■(将棋の対局)
男女比: 男:女=1:3
・将棋・小学生・AI・ハーレム系・将棋界の変革
・あいがプロ棋士編入試験を拒否した!?
☆――(あらすじ)――☆
雛鶴あいちゃんがプロ編入試験の実施を求めて活動した結果、遂に将棋連盟が動きました!
月光会長:「雛鶴あい女流名跡に対して、特例としてプロ編入試験を実施する。試験管の選定と合否の条件は常務会に一任する」
これを聞いて思わず立ち上がってガッツポーズしそうになる鹿路庭珠代でしたが、当の本人は毅然とした態度で「受けません」とこれを拒否。
将棋界の専務理事・常務理事たち7人を前にして、小さな小学生の少女は態度を崩しませんでした。
雛鶴あい:「特例ではなく、恒久的な制度として、女流棋士を含む全ての人々に対して奨励会を経ずにプロになれる道を作っていただきたいんです。試験の内容はお任せしましたが、この点がかなえられないなら、わたしは受験しません」
☆――(感想)――☆
プロ棋士編入試験云々より、たまよんの師匠が外国人で驚きました!『ブルーノ・レドモンド九段』!
たまよんが師匠のことを『パパ』と呼んでいたことも含めて、かなりのインパクトがありました。
さて、女流名跡となり、その実力を示してプロ棋士編入試験を許されたあいちゃんですが……どうしても、『プロ棋士編入試験を制度化する』ことに拘っているようです。
単純に疑問なのですが、どうしてあいちゃんは奨励会を介さない、編入制度を導入したいのでしょうか?
彼女なりに何か考えがあってのことだと思うのですが、たまよん(鹿路庭珠代)を含めて周りの大人たちは、『雛鶴あいを応援はしているものの、理解はできない』みたいな状態になっているように見受けられます。
いわば、あいちゃんの独走状態です。
もしもプロ棋士編入制度が現実になれば、奨励会を去った鏡洲さんなどに再びチャンスが訪れることになります!
鏡洲さんは地元の幼馴染みの農園を継いで、新たな人生をスタートさせていたところなので、これが良いことなのかは怪しいところですが……。
それでも選択肢が増えるというのは多くの人たちを救うことになると思うので、このまま制度実現に向けてあいちゃんには突き進んで欲しいです!
・八一VS歩夢の帝位戦
☆――(あらすじ)――☆
八一の持つ『帝位』のタイトルに、幼馴染みである神鍋歩夢(かんなべ あゆむ)が挑みます!
AIによる研究が進み、両者共に将棋の『結論』に近づいた結果、7番勝負の帝位戦は第6局目まで、常に先手が勝利する結果となりました。
『将棋は先手が必勝』。
そんな結論を暗に示しているかのような両者の対局は、最終第七局で大きく覆されることになりました。
☆――(感想)――☆
名人の提案で、 将棋に『入玉宣言法』というルールが追加されました!
途中でルールが変わるというのは、他のスポーツでも稀にあることです。かく言う私も高校では柔道をやっており、在学中に『いきなり相手の足を掴む奇襲技は禁止』というルールが追加された経験があります。(このせいで奇襲技を得意としていた先輩が、引退間際に苦労するハメになりました……)
AI同士での対局は、とても長手数になることが多く、勝敗が付くまで無駄に長引くことがあるそうです。
今回出てきた『入玉宣言法』は、そんな長手数になった場合に一定の条件を満たして『宣言』をすると、自分の勝利になるというルールです。
ただし!
『宣言』をして規定の条件を満たしていなかった場合は、『宣言』をした側の負けになります。
滅多にこのルールが適用される機会がない上に条件も複雑で、自分が負けるリスクまであるという、シビアかつマイナーなルールです。
しかし今回、八一と歩夢の対局は異常な長期戦となりこのルールが初めて適用されることになりました。
人類がAIから学ぶようになった結果、名人はいつか、今回の対局のような場面が出現すると想定して、前もってこのルールを制定したのでしょうか? そう考えると名人の先見の明が凄すぎます!!!
あまり姿を見せず、喋ることも少ない謎の存在ですが、裏でしっかり仕事をする名人は、なんとも不気味な存在です。
八一と歩夢という親友同士が本気で戦い、決着が付いた後は楽しく飲みに行き、別れて一人になった瞬間に負けた方が涙するというその様に、タイトル戦の厳しさと残酷さを感じました。
・将棋を辞めることを賭けて姉妹弟子対決!
☆――(あらすじ)――☆
雛鶴あいは将棋連盟の重鎮たちに訴えかけるのではなく、もっと上の存在、将棋のプロ棋士が生活していくための資金を提供してくれている、スポンサー企業の方を動かそうとしました。
プロ編入試験の制度化。
これを実現するため、業界にコネのある夜叉神天衣に力添えを頼みました。
しかし、これに対する天衣の返事は厳しいものでした。
「…………いいわ」
――――
「私に勝てたらね」
――――
「それからもう一つ条件がある」
――――
「負けた方が将棋を捨てるの」
女流棋戦のタイトルホルダーとなった二人が、それぞれの将棋人生を賭けて激突します。
☆――(感想)――☆
『負けた方が将棋をやめる』という厳しい条件に加え、今の夜叉神天衣は最強のAIを利用して将棋の必勝形を学習しています。勝つのは非常に困難な相手です!
師匠である八一ですら『現在の将棋の結論は天衣必勝』などと言ってしまうほど、今の天衣は得体の知れない実力を付けてしまいました。
そんな相手と将棋人生を賭けて勝負することは、あいにとってかなりの精神的負担だったことでしょう。なにより優しいあいにとっては、自分が勝ってしまうと天衣が将棋をやめることになってしまうことが辛かったはずです。(天衣もそれを狙っていました)
敵か味方かという概念を超越して、自分の意志を貫いて行動を起こす夜叉神天衣は、もはや主人公以上に物語を大きく動かしてしまう存在になりました。
圧倒的な棋力に加えて財力もある彼女は、もはやこの作品のジョーカー的存在!
八一の女性関係も、日本が誇るスパコンの使用権も、将棋界に流れ込む資金も、そして将棋の内容自体も。
あらゆる部分において夜叉神天衣の影響力が強すぎます!!!
雛鶴あいちゃんも積極的に変革を起こそうとしていますし、二人の決着の後、将棋界がどのような形に変わっていくのか、恐ろしいながらも楽しみです。
だんだんと話の内容が現実離れしてきたように感じます!
この作品が一体どのような最後を迎えるのか想像もできませんが、現実の将棋界のパロディが中心だった今までとは違う、オリジナリティのある終わり方になりそうで期待に胸が膨らみます。
・あいの頭脳に異変が!?
☆――(あらすじ)――☆
夜叉神天衣と雛鶴あい。
二人は対局後、一晩寝食を共にして親交を深め合いました。
そしてその夜。
あいは天衣に衝撃の事実を告白します。
「わたしの頭の中には十一面の将棋盤があるの」
――――
「消えかけてるの」
――――
「たすけて…………天ちゃん…………」
――――
「わたしの全盛期は終わろうとしてるの。だから…………力を貸して。天ちゃん……」
☆――(感想)――☆
衝撃の展開です!
銀子は病弱で棋界から退き、祭神雷(さいのかみ いか)は目から血を吹き出し対局不能。そして今度はあいちゃんが脳に異常をきたしてしまいました。
若い女流棋士たちの病気ラッシュが止まりません!
まるで呪われているかのようです。
この先女流棋士は大丈夫なのでしょうか……。あいちゃんの過激な動きによって女流棋士全体の肩身も狭くなってしまいそうですし、そこも含めて心配です。
さて、あいちゃんが自身の脳について告白をしたのは、師匠の座右の銘である『俺の全盛期は明日』という掛け軸が掛けてある部屋でした。脳の機能が衰えつつあるあいちゃんにとっては皮肉な場所です。
このシーンには挿絵イラストも付いていて、あいちゃんが着ていたパジャマがかわいいネコさん柄だったことも印象的でした。普段は強気に振る舞っているあいちゃんですが、年相応のパジャマがまだ子供であることを思い出させます。
『こんな小さな小学生の女の子に、こんな過酷な運命を背負わせるのか』とやるせない気持ちになりました。
寝床で話し合う二人の小学生の後ろ姿。良い挿絵でした。
次巻からあいちゃんの闘病が始まるのでしょうか?まだ病気かどうかもハッキリしていませんが、話の流れが急に暗くなってしまいました。
心配は尽きませんが、最後まで八一たちの物語を見届けたいと思います。
(「りゅうおうのおしごと!」18巻の感想・ネタバレあり)

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