緋弾のアリア13巻[反撃の九龍(ガウロン・リバース)]の感想(ネタバレあり)菊代と萌の人生を変え、自身も世界へと雄飛していく

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緋弾のアリア13巻の感想(ネタバレあり)

※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!

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緋弾のアリア13巻
/赤松 中学
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【評価】
・いつも通り面白かったです
・貧富の差のコントラストが効いていた
・対比表現

作品の特徴(5段階評価)
おすすめ度:   ★★★★★
読みやすさ:   ★★★
ラブコメ量:   ■■■■
戦闘・バトルの量:■■■■■
男女比:     男:女=1:4
・妖怪変化・中国・香港・貧富・格差・ハーレム系・戦闘

・萌と菊代の人生を変えてしまった!キンジ自身も世界へ雄飛していく

――(あらすじ)――
一般人にはなれないと悟ったキンジは武偵として生きていく事に前向きになりました。
キンジ自らバスカービルの女子四人とエル、ジャンヌを呼び出して作戦会議を開きます。

キンジ:「――これまでの極東戦役(FEW)では受けに回っていたが、それだと距離のある敵と膠着に陥る。実際、藍幇の一味は猴の調子が悪くなったのかすぐ香港へ引っ込んだ。それを態勢が整うまで待ってやるほど、俺はお人好しじゃないぜ。これは戦争みたいなもんなんだ。フェアプレーを褒められるスポーツとは違う」

急にリーダーシップを発揮したキンジに対し、師団(ディーン)の面々は驚いた様子でした。

「なんか誰かの受け売りっぽいけど偉いわキンジ!」

「キンちゃん様がこんなに積極的になるなんて、ステキ」「キーくん、拾い食いのメニューは何だったの? こんど理子が道端にそっと置いとくよ」「……」「バスカービルのリーダーは遠山、長らく忘れていたが思い出したぞ」「トオヤマ、まさかとは思うけど、キミは何か禁止薬物をやってたりとかは……しないよな?」

こうしてバスカービルは武偵校の行事、海外へ遠征する『修学旅行Ⅱ(キャラバン・ツー)』を利用して香港へ向かうことになりました。
遠山キンジにとっては初めての海外。新しい舞台へ降り立ち希望に満ちていたところに、2通のメールが届きます。
――1通目。送信者、『望月萌』。件名、『武装探偵になろうと思います』
――2通目。送信者は未登録メアド。件名、『菊代だけど。また武偵を目指すよ』


キンジは初めての海外へ降り立った矢先に、国内の問題で頭を抱えることになってしまいました。

――(感想)――

(武偵憲章9条――世界に雄飛せよ)
それは……こんなに簡単に始まっちまうもんだったんだな。
英語もできんし忙しいからとか言って妙に構えてた過去が、あっけなく終わっちまった。
世界ってもんは、チケット1枚買って、飛行機に乗っちまえば――始まってしまうモノ。
その向こうが無限に広く、その先にいろんな事があるにせよ、踏み出すのは難しくない。

飛行機が飛び立った際のキンジの感慨が伝わる部分を抜粋させていただきました。
私はまだ海外には行ったことがないのですが、きっと行くときはこの時のキンジと同じような気持ちになるのだと思います。
自分が経験していないことを、登場人物に共感して追体験することができる。これぞ小説の醍醐味です。
作者さんがしっかりと香港を取材されたのだと思うのですが、香港のリアルな情勢を知り、楽しむことができました。
自分も海外へ旅立ったかのような満足感がありました。

さて、菊代と萌が揃って武装探偵を目指すようです!
これはキンジと同じ東京武偵高に通う流れでしょうか。
この作品は本っ当に登場キャラが減りません!増えたらその後も登場して増え続ける一方です!おかげでキンジの周りが女まみれです!
キャラが多すぎてストーリー進行に影響が出ないか心配していましたが、ここまでくるといっそどこまで増えるのか楽しみです。
キンジは今回も中国で新たな女性を引っかけて来ます。キンジの女性問題は大きくなる一方です!

・貧富の差

――(あらすじ)――

アリア:「ICCビル。ここの118階に場所取ったから、そこを司令室にするわよ」

香港のICCビルは地上484m。
ビルだらけの香港の中でも一番高い超高層ビルで、103階から上は全てリッツ・カールトンという超一流ホテルになっています。
118階にあるバーの奥のVIPルーム。そこがバスカービルの本拠地でした。
白人のキレイなウェイトレスが三段重ねのトレーでアフタヌーンティー・セットを運んで来たのにも、アリアは当たり前といった表情をしています。

その後バスカービルの面々はあえて香港に散らばり、それぞれ観光をしながら藍幇の出方を伺う作戦に出ました。

しかしキンジは一人になったタイミングで携帯と財布をスられてしまい、無一文で帰る場所も分からず、香港をアテもなく彷徨うことになってしまいました。
やがて貧民街に入り、観光で見て回るような場所は豊かな反面、すぐ近くには日々の食事にも困るような貧しい人々が沢山いることが分かりました。

キンジはそんな貧民街に住む少女、院美詩(ユアン メイシー)に助けられました。
日本語を勉強していて、日本へ留学するのが夢だと言う彼女は、キンジに日本語を教えてもらうことを条件に一晩泊めてくれるのでした。

――(感想)――
戦闘では圧倒的な能力を誇るキンジが、成す術なく途方に暮れて自分の無力さを痛感していた様子が痛ましかったです。
希望に満ち溢れていた初めての海外旅行から一転、この落差には心を揺さぶられました。

院(ユアン)に泊めてもらったキンジですが、シャワー(3分しか使わせてもらえない)から上がった彼女の匂いにヒスりそうになり、

――斬撃や銃撃は避けられる。
しかし、人はニオイを避ける事ができないのである。

と彼ならではの言葉が飛び出しました。いやいや普通の人は斬撃も銃撃も避けられませんから!キンジならではの名言が誕生した瞬間です。

・猴の正体

――(あらすじ)――
キンジはアリアたちがいる本拠地・ICCビルの場所を確認し、大衆食堂で粥を食べていました。器を置いた瞬間、前の席に座っていた少女と目が合います。
その少女はジーサードを如意棒(レーザービーム)で倒した猴でした!
尻尾も駆使しながら町中をすばしっこく逃げ回る猴を追い詰めますが、猴は以前とは違い弱気な性格になっていて、追い詰められると泣き出してしまいました。

猴(こう)には敵意はなく、猴に人工的に埋め込まれた『孫(そん)』という別の人格が好戦的なのだと分かり、戦う意思の無い猴をどうしていいのか分からず、キンジと猴の二人ははそのまま解散。

それぞれの組織に戻り、藍幇とバスカービルの講和案を検討し、和睦の条件を持ち寄って会議をしようという流れになりました。

――(感想)――
まず、孫悟空が幼い女の子であることに私は衝撃を受けるのですが、キンジたちはそこにはあまり触れないのですね……。玉藻もいますし、もう幼女の妖怪は見慣れているということでしょうか。

『猴』の状態の猴は、本当にただの気の弱い女の子でした。戦いたくない相手です。女性に優しいヒステリアモードのキンジは、猴を攻撃できるのかすら怪しいです。
幼女と戦うのはココ以来でしょうか。言葉の通じない中国という舞台で、戦いはどんな結末を迎えるのか楽しみです。

・猴(孫悟空)との戦闘開始!

――(あらすじ)――
キンジが一人で歩いていると、メガネをかけて4人目のココと猴が現れました。
そして大量の中国の女子高生に囲まれてしまいます。

メガネをかけた4人目のココ:
「さてキンチ、降伏するよろし。今ならその女全部、お前にくれてやるネ。欲しい敵将は女攻めにして骨抜きする。これでキンチは明日からココの駒、間違いないネ!」

発言のスケールの大きさにカルチャーショックを受けたキンジですが、おかげでヒステリア・モードになることができました。
そのまま香港を舞台に、巡るめく猴との戦闘が始まりました!

――(感想)――
車内戦、路面電車の上、そしてデパート。
戦う場所が次々と移り変わってエキサイティングでした!作中でも言っていましたが香港映画のようです。
しかしそのせいで一部、状況が理解しにくい部分があり、何度か読み返したところがありました。デパートの2階で戦っていて、そこへ車で来た理子(当然下にいる)が落下(この時は2階に来ていた)したところなど。
私の読解力の問題もありますが、やや複雑で戦況がイメージしにくいシーンでした。

孫(そん)はとても身体能力が高く、その攻撃はまともに受ければ一撃で即死しかねないものでした。
一歩間違えば本当に死んでしまうという、恐ろし過ぎる戦闘でした……。
ヒステリアモードのキンジしか戦いようが無いかと思ったのですが、意外と助けに来たバスカービル女子たちの攻撃が効いて、メンバーの強さを感じました。

さて、最後に孫の瞳が赤く染まり、一撃必殺のレーザー『如意棒』が放たれようとしますが……。やはり今回も続きが気になるタイミングで終わってしまいました。
しかも次の14巻の前に番外編が出るようで、随分と焦らされることになりそうです。
いつものことなので気長に待ちましょう!

(「緋弾のアリア」13巻の感想・ネタバレあり)

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