りゅうおうのおしごと!12巻の感想(ネタバレあり)
※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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りゅうおうのおしごと!12巻/白鳥 士郎
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【評価】
・いつも通り面白かったです。
・物理的ダメージを負う将棋!?
・恋愛に大きな進展あり
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★★
読みやすさ: ★★★★★
ラブコメ量: ■■■■■
戦闘・バトルの量:■■■(将棋の対局)
男女比: 男:女=1:2
・将棋・奨励会・恋愛・ロリ・小学生・死闘
・八一と銀子の関係
☆――(あらすじ)――☆
前回、八一は銀子に告白しようとしましたが、銀子は『封じ手』と称して保留にしました。
まだ銀子と八一が恋人同士になった訳ではないものの、二人の関係はほぼ約束された状態になっています。
銀子が史上初の女性プロ棋士になるまで返事は保留とのことでしたが、銀子は死闘を次々と制し、遂に歴史的な快挙を成し遂げます!
そして八一と銀子は正式に結ばれました。
☆――(感想)――☆
暴力を振るうヒロインはあまり好きではないので、個人的に銀子は応援していませんでした。
しかし彼女は数々の死闘を制して、本当に苦しい思いをしながらも実力で八一と結ばれました。
止まりそうになる自身の心臓に拳を叩き込み、肋骨が折れた状態で血を吐いても将棋を指し続け、そうして欲しい物を掴み取ったのです。
これは賞賛するしかありません!銀子は本当によく頑張りました!
さて、銀子と八一が恋人関係になったので、恋愛に関しては決着がついたかと思ったのですが……意外な女の子が八一に猛アタックを仕掛けてきました!鈍感な八一でも勘違いしようが無いくらいストレートに好意を伝えます。
まだまだ八一争奪戦は終わりそうにありません!
銀子はこれからも油断せず、恋愛も将棋も充実させていって欲しいです。
・奨励会三段リーグ
☆――(あらすじ)――☆
・初の小学生プロ棋士を有望視される椚創多(くぬぎ そうた)。
・最有力候補とされながら連敗スタートで、プロ入りは既に絶望的な坂梨澄人(さかなし すみと)。
・年齢制限でもう後が無い強豪、鏡洲飛雄馬(かがみず ひゅうま)。
・一度は奨励会を退会したものの、社会人になってから規程を満たし、再び奨励会へと戻って来た辛香将司(からこ しょうじ)。
・史上初の女性プロ棋士になろうとしている空銀子(そら ぎんこ)。
この中でプロ棋士になれるのは2人だけ!(一部例外規定あり)
それぞれの思いを胸に、プロ入りを目指して各自全力でぶつかり合いました。
☆――(感想)――☆
将棋界の歴史に残る快挙!
『女性プロ棋士』と『小学生プロ棋士』が同時に誕生してしまいました!!!
最後の銀子と鏡洲さんの勝負は、『勝った方がプロ棋士になれる』という鬼勝負となりました。
銀子は正直、創多や鏡洲さんと比べると才能も実力も一歩劣る印象でしたが、何が起こるか分からないのが勝負の世界。
諦めずに戦い抜いた彼女を祝福したいです。
ところでこのライトノベルでは一時期、藤井聡太さんが台頭してきた時期に、『現実に負けるな』という表号が使われていました。(現実で八一より若い竜王が誕生してしまったためでしょうか?)
そのせいか、現実より更にありえない展開にしようと、ちょっと無理をしているようにも感じてしまいます。
前の巻で既に名人がタイトル通算100期を達成しました!これ以上ありえない展開が続くと、ちょっと気持ちが離れてしまいそうというか、ついていけないかもしれません……(汗)。
さて、今回は奨励会三段リーグで、辛香将司(からこ しょうじ)というキャラが銀子の相手として登場しました。
辛香は銀子との対局前に「また心臓が止まるかもしれんもんねぇ」と言ったり、銀子と一緒の病院にいた子供たちが「みんな死んだよ」と伝えてきたり。
人として最低な発言を浴びせて銀子を苦しめました。
最終的に辛香は『そんなに悪くない奴』みたいな形で収まりましたが、私としてはどうにも納得がいきません!!!銀子に言った言葉があまりにもデリカシーが無く、到底許されるようなものではないと思います。
銀子が許しても私は辛香将司というキャラが大嫌いですし、おそらくこの先ずっと許せません!
・夜叉神天衣がまさかの告白!?
☆――(あらすじ)――☆
あいは八一と銀子の間に何かを感じとり、二人の関係が進展してしまったことを悟りました。
あいは天衣、そして二人と同じく八一の弟子になることを希望しているシャルちゃんを呼び出し、幼女3人で緊急会談を執り行います。
あいの話を聞いた天衣は、何かを察しながらも行動できないでいるあいを尻目に、自分は積極的に行動することに決めました。
『自分が八一の一番弟子になる』。そう信じて待っていた結果、あいに一番弟子を取られたばかりか、八一には存在を認識すらされていなかった過去を持つ天衣。
同じ後悔をしないよう、今度は天衣の方から動きます!
☆――(感想)――☆
天衣が八一に告白!?
ここへ来てまさか八一の女性関係悪化するとは!ツンツンお嬢様がここまで素直になるとは!驚きの超展開です。
八一のネクタイを直すと見せかけ、八一にキス。そして
「好きよ。八一」
と、ツンデレお嬢様が、ハッキリと八一に好意を伝えました!
恋愛に決着が付いたと思った前巻、しかし蓋を開けてみればまだまだ熱い八一争奪戦が繰り広げられていました。
これはまだまだ恋愛要素も楽しめそうです!
ところで、夜叉神天衣の告白の前に、あいが八一の女性問題を天衣に相談したのは意外でした。
天衣が八一に好意を持っていることを理解した上で、八一の情報を共有したのです。
……あいと天衣はどういう関係なんでしょう???
恋のライバルとしてもっとギスギスしている認識だったので、あいの友好的な振る舞いは意外でした。
一転して銀子に関しても、あいに「八一のことは任せる」のような発言をしていて、女性同士でのギスギスした感じが今回は薄まっていたように感じます。
これまで険悪だった女性陣が、妙に信頼しあって仲良くなっているというか。お互いを認めてきたのかもしれません!
(不思議な関係性ですが……)
・帝位戦
☆――(あらすじ)――☆
『竜王』に続いて八一が二つ目のタイトルを狙う帝位戦。
相手はAIを使った将棋研究の第一人者、於鬼頭曜(おきと よう)帝位です。
二日制の対局は一日目で八一が封じ手をすることになりました。
そして相手よりも1手先の展開を知っている八一がホテルの自室で勝負を読みきり、翌日の対局では於鬼頭帝位があっさりと投了。
八一と於鬼頭帝位は二人とも『封じ手はした側が有利すぎる』と同意し合い、二日制のタイトル戦に不満を漏らしました。
☆――(感想)――☆
於鬼頭帝位は自分自身をとことんAIに寄せにいき、一方八一はAIを活用しつつもあくまで『人間』として将棋を指そうとしました。
どちらが正しいかは分かりませんが、この勝負に八一が勝利したことで、『人間らしい将棋』が肯定された形となりました。
私自身も将棋を指すのですが、これは少し嬉しかったです! 振り飛車や力戦など、いろんな戦法があった方が将棋は楽しいです!(今のプロの将棋はそうも言ってられないのかもしれませんが……)
この帝位戦第一局は八一にとっては二冠がかかる重要な戦いでしたが、今回は銀子たちの奨励会の話に重きが置かれていて、あっさり終わってしまったのは少し残念でした。
於鬼頭帝位は自殺未遂をしたことがあるようですし、 彼の人となりも気になります。いつか深掘りしてくれることを期待しています!
(「りゅうおうのおしごと!」12巻の感想・ネタバレあり)

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