ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11巻の感想(ネタバレあり)
※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11巻/大森 藤ノ
(アニメ3期、9話~12話の内容)
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【評価】
・いつも通り面白かったです
・苦境
・ベルが『男』になった
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★
読みやすさ: ★★★
ラブコメ量: ■■■
戦闘・バトルの量:■■■■■
男女比: 男:女=1:3
・ハーレム系・非ダンジョン・逃走劇・モンスターを助ける
・【ヘスティア・ファミリア】の決意
☆――(あらすじ)――☆
異端児(ゼノス)たちがオラリオ中に逃げ隠れ、冒険者たちが賞金目当てに血眼になって彼らを探しているという状況。
【ヘスティア・ファミリア】は選択を迫られていました。
ヘスティア:「みんな、選んでくれ。『異端児(ゼノス)』君たちに味方して、日陰者として生きていくか。彼らを見捨てて、今までの日常に戻るのか」
───
ヴェルフ:「ヘスティア様」
「もう一つ、選択肢を増やしませんか?」
「俺たちがすこぶる上手く立ち回って、異端児(ゼノス)たちをダンジョンに帰す。そして俺たちも誹りも蔑みも受けない」
ヴェルフはこの時のためにずっと工房に引きこもり、作戦決行のため準備をしていました。
☆――(感想)――☆
肝心な時に頼もしいヴェルフ!カッコイイです。
彼は決して口先だけではありません。ベルほど強い訳ではありませんが、優秀な鍛冶師としていつも力になってくれます。
今回、ベルの意向で【ヘスティア・ファミリア】はゼノスを助けることになりました。しかしそれはオラリオの常識ではあり得ない行為です。それでもウィーネたちを助けたいというベルの思いに、ヴェルフやリリをはじめとする【ヘスティア・ファミリア】の皆は協力してくれました。
心強い仲間をもったベルは幸せ者です!
(あるいは、彼本人が勝ち取った人望でしょうか)
さて、ヴェルフと命(みこと)は本当に良い仲間なのですが、1年で元のファミリアに戻ってしまう可能性があります。(1年経つと、所属ファミリアを変える改宗(コンバージョン)ができる)
二人にはずっと【ヘスティア・ファミリア】にいて欲しいですが、ヴェルフは神ヘファイストス、命は神タケミカヅチを愛しく思っているため、引き留める訳にもいきません。
【ヘスティア・ファミリア】はそもそも、団員の過半数が他派閥だった歪なファミリアです。
冒険者という職業も危険ですし、今の恵まれた環境は意外と不安定なのかもしれません。
・ゼノス救出大作戦!
☆――(あらすじ)――☆
街中に逃げ隠れたゼノスたちを先導し、ベルたち【ヘスティア・ファミリア】とウラノスの使者フェルズは、彼らがダンジョンに帰る手助けをします。
しかしそこに【ロキ・ファミリア】が立ちはだかり、モンスターたちの帰還を阻止すべく【ヘスティア・ファミリア】と対立しました。
相手はオラリオ最強のファミリア!
策謀渦巻く心理戦が繰り広げられます。
☆――(感想)――☆
ダンまちの外伝作品である『ソード・オラトリア』を読んでいる方は、お馴染みの【ロキ・ファミリア】の冒険者が多数登場して嬉しかったのではないでしょうか。
しかし今回はベルたちの敵です!
本編と外伝、それぞれの主人公のぶつかり合いに、なんとも言えない複雑な気持ちになりました。
ゼノスたちの誘導は複雑な頭脳戦になりました。
以前の戦争遊戯(ウォーゲーム)では【ヘスティア・ファミリア】の作戦通りに事が進みましたが、今回は【ヘスティア・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】が互いに作戦を潰し合い、戦況が難化。さらに戦場が複数カ所に別れ、地形が複雑なこともあり、文章から状況を理解するのが大変でした!
人間同士では殺し合いをしないものの、ゼノスたちは見つかると命を狙われてしまいます。
かなり難易度が高く不可能とも思えるミッションでしたが、フェルズと【ヘスティア・ファミリア】はあの手この手を尽くして【ロキ・ファミリア】に対抗しました。
今まででにないタイプの戦闘だったので、読んでいて新鮮で興味深かったです!
・アステリオスとの激戦
☆――(あらすじ)――☆
モンスターの討伐を妨害したベル・クラネルの評判は酷いものとなってしまいました。
神ヘルメスがベルの名声を取り戻そうと一計を企てますが、最強のゼノスであるアステリオス(黒いミノタウロス)がベルの前に現れ、ヘルメスの思惑は台無しになってしまいました。
アステリオス:
「夢を」
「ずっと、夢を見ている」
「血と肉が飛ぶ殺し合いの中で、確かに意思を交わした、最強の好敵手」
「再選を――自分を項も駆り立てる存在が、いる」
「あの夢の住人と会うために、今、自分はここに立っている」
――――
「ベル、どうか」
「再戦を」
アステリオスの望むまま、ベルは彼と死闘を繰り広げました。
そしてその戦いを見たオラリオの人々は、その苛烈さに興奮し熱狂していきます。
☆――(感想)――☆
子供っぽく純真さが目立つ主人公でしたが、今回は荒々しい冒険者の一面を見せてくれました。
成長して強くなったのはもちろん、男らしく、頼もしく変わったように感じます。
ベルがオラリオの街に来てまだ数か月しか経っていませんが、激動の日々でした。彼は急成長せざるをえなかったのでしょう。あまりにも過酷でかわいそうにも思えてきます。
理不尽な神々に目を付けられていることもあり、ベルの苦労は続きそうです。
頑張れ主人公!
これからも彼の苦難と飛躍を見守っていきましょう。
・女性たちの反応
☆――(あらすじ)――☆
今回、ベルは地上に出てきたモンスターを庇うという、オラリオの人々からすると不可解な行動をしました。結果、街の人々はベルに失望してしまいました。
このことに関して、ベルを普段から気にかけている女性陣の反応は様々でした。
・『豊穣の女主人』で働いているリューとシルは、今回のベルの行動をあまり気にしていない様子。ベルの行動の真意は分からないものの、彼を心から信じていました。
・ギルドのエイナさんはベルにビンタし、激しく怒っていました(10巻)。しかしまだベルのことを嫌いになった訳ではないようで、アステリオスとの死闘の後、ベルに寄り添う描写がありました。
・アイズ・ヴァレンシュタインはモンスターに対してはとても厳しい人物。
しかし今回、彼女は異端児(ゼノス)と接触し、人語を話して感情を持つモンスターが存在するということを知りました。
一時はベルと対立したものの、ゼノスの一件が終わってからはベルの方からアイズに声をかけ、元の子弟のような関係に戻りました。
☆――(感想)――☆
今回のベルの行動に、一番心をかき乱されたのはエイナさんではないでしょうか。
以前はベルのことを『かわいい弟』のように思っていた彼女ですが、襲い来るモンスターから助けられ、アステリオスとの死闘を間近で見て、更に悔しさのあまり涙を流すベルを見て、ベルのことをすっかり男性として意識したようです。
これは正式にヒロイン入りしたと言っていいでしょう!ベルの周りの女性関係がよりややこしいことになりました。
しかし『ベルはアイズが好き』ということは周知の事実。ヒロインたちの恋路は前途多難です。
そしてベルの恋愛に関しては、更に心配事があります。
ベルの成長を促しているスキルの名前が『憧憬一途』であるため、他の女性と恋仲になると『一途』ではなくなり、ベルの成長が止まってしまうのではないでしょうか!? (個人的な想像ですが)
そう考えるとエイナさんや春姫、リリや神様たちの恋を素直に応援して良いのか疑問です。恋愛と自分の成長力が関係しているため、ベルの女性問題は複雑です。
ベルとアイズが結ばれるのが一番なのかもしれませんが、女性陣は各人、悔いが残らないよう頑張って欲しいです。
(「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」11巻の感想・ネタバレあり)
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